なぜ鳴き砂の音は魅力的 ?

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鳴き砂の浜辺を歩くと聞こえる「キュッ、キュッ」という可憐な音。なぜか心が惹きつけられ、 「もう一度聞きたい」と思ってしまいます。この不思議な魅力の正体は、一体何なのでしょうか?

その秘密は、音の「高さ」に隠されていました。
科学的な分析によると、鳴き砂が奏でる音は、およそ400ヘルツという周波数を持っていることが分かっています。 この「400ヘルツ」という高さが、実は私たち人間にとって非常に心地よい響きに近いのです。
琴引浜

ギターを引く蛙 ギターの世界的なメーカーの社長でもある横内祐一氏は、 著書『人間と夢-私の視点』((株)タニサケ 1995年)の中で、音楽における基準の音についてこう語っています。
「440ヘルツは人間にとって,一番心地よく感じる音だ。しかも世界中の楽器が、時間、民族や文化をこえて同じ。ドレミファのラの 「音」調律(チューニング)の基本は440ヘルツの音叉で参加する全部の楽器が音合わせをする。」
音楽の世界の基準となる440ヘルツと、鳴き砂の奏でる400ヘルツ。とても近いですよね。鳴き砂は、自然が生んだ楽器のように、人が心地よいと感じる高さの音を、生まれつき持っているのです。



さらに、秘密はもう一つあります。 鳴き砂の音は、ただの単一な音ではありません。 400ヘルツ前後の「基本の音(基本周波数)」と、 その整数倍の高さの音である**「倍音(ばいおん)」**が、綺麗に重なり合って響いているのです。 この「基本の音」と「倍音」が重なって構成される音こそが、音楽的な音、すなわち**「楽音」**の正体です。 だからこそ、鳴き砂は英語で "singing sand" や "musical sand" と呼ばれるのですね。 サンディさん