不思議な蛙砂とは
太古の蛙が山形県で目を覚ました話
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![]() 山形県西置賜郡飯豊町遅谷の地層は、鮮新世の地質図によれば、 500万年前の古日本海の海岸にあたります。 鳴き砂が眠っていた、いわば鳴き砂の化石です。 それが不思議なことに 蛙の声 を出すといいます。 |
![]() 壊れたときにはどうする? |
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直径5cm長さ10cmのアクリル製の筒に約100ccの水と約100gの砂が入っている、 ただそれだけ。 蛙はご愛敬に入れたゴム製です。 それを左右にゆっくり振ると蛙の声がします。 |
鳴かぬなら、鳴かせてみせよう
![]() この原料となる粘土混じりの砂を 100g見せて、 「これで蛙の声を出した方には1万円呈上」と書いたら、 ある砂の会社の社長がそれを見て怒った。 社長さん 「人をバカにするな!」 私 「それでは、試してみませんか?」 とサンプルを差し上げると、 社長さん 「ヨーシ俺今晩ここに泊まって鳴かせてみせる!」 意気込んだ社長さんだったが… ![]() ![]() これには、汗と涙を混ぜないと」 社長さん「わかった、わかった!」 |
蛙も認めた?
それが蛙の声だというのを確認しようとして、同じ飯豊町の白川湖畔で実験したこと があります。 面白がって、NHKのカメラマンがついて来ました。しかし蛙は姿を現わしてくれません。 やがて、カメラマンは諦めて引きあげてしまいました。 その時、湖の向こう岸から波の輪がくる気配。 「マサカ?!」と思って見ていると、なんと、波の輪の先頭に蛙が見えるではありませんか!! 「オーイ!」とカメラを呼びたいところでしたが、それでは蛙が逃げてしまいます…。 そのうち蛙は、こちらの岸まで来て止まりました。チョコンと頭を出して、 横向きの姿でジッとしている様子。 私はもう夢中で、砂を振りました。 5分も経過したでしょうか、やがて蛙は岸辺の草の陰に隠れてしまいました。 カメラマンは残念がって「もう一度」。「冗談じゃない」と私。 もともと鳴き砂は水の中でも鳴いたものだ、とそんな子供の頃の思い出を語る人がいます。 しかし今は、絶えて鳴くことはありません。 |
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モリアオガエル?
ところでこの声は、果たして本物の蛙に似ているのだろうか? ある時、蛙の専門家にそれを試す機会がありました。 京都の法然院で、モリアオガエルの専門家が現地講演すると聞き、さっそく出かけて行って、 後ろでそっと音を出してみました。 「おやっ、蛙の声?!」 と、人々はびっくりして振り向きました。しかし、時期からいって、鳴くはずはないのだが…。 「間違いなくモリアオガエルの声です」 と 専門家に太鼓判を頂きました。 |
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ちなみにこの蛙砂は特許第2016667号になっているが、 今まで誰一人として、これに挑戦した人はいません。 巨大化して砂1トン容の恐竜の鳴き声を出すモニュメント建設計画もあります。 1997年5月24日(土曜日)午後7時30-8時44分に放送の、 NHK総合テレビ土曜特集 「にっぽんの音風景」 で、 最近発見された遅谷蛙砂の珍しい現象が紹介されました。 |